スタインウェイ購入物語1「教室にスタインウェイは必要か?」

2023年08月07日

分かりやすくスタインウェイと書きましたがベーゼンドルファーでもファツィオリでも良いです。元々私は自宅や教室に高級ピアノは必要ないと考える派でした。理由は「人前で弾くピアノは弾く場所にあるピアノ」だからです。自宅にどんなに高級ピアノを置こうがどんなに酷いピアノを置こうがホールのピアノがファツィオリやスタインウェイなら勝手に良い音が出てくれる。自宅やピアノ教室ではピアノの演奏技術を鍛えれば良いのであって、その鍛え上げた技術を持ってその場所にあるピアノを弾く!そこにあるピアノが高級ピアノなら高級な音が出るし、そうでないならそれ相応の音が出る。このような考えでした。

私のいた音楽大学は1学年に200余名のピアノ科学生がいましたが男性はわずか17名でした。その17名が2つのクラスに振り分けられるので当然繋がりも強くなります。卒業後も定期的に飲み会などを行う仲でしたが、その中でいち早くスタインウェイを購入したのが現在、土曜講師を担当している小林先生でした。みんな小林先生に「スタインウェイがあるとやはり量産型ピアノとは違うか?」と感想を聞いておりました。小林先生からスタインウェイを購入したことで起こった変化の話を聞き、私も興味を持ちはじめました。

「普段何を求めピアノを弾いているか?至高の音楽を追い求めるならば究極の技術は勿論のこと良い楽器に触れそこから出る極上の音を紡いで音楽とするのが良いのではないか?」と考えるようになったわけです。料理で例えるなら楽譜はレシピ、音が食材です。料理ともなれば毎度高級食材を購入することになりますが、ピアノとなると最初に大金を払えばずっと極上の音を手にいれることが可能です。車の寿命は10年といったところでしょうが(うちの車は14年目ですが…)良いピアノはメンテナンスさえしっかりすれば100年は余裕で使えます。ピアノ教室で極上のピアノを導入すればそのピアノの音を生徒さんとも享受出来ます。

そしてピアノ教室にとってピアノは商売道具!つまりは経費です。減価償却期間、自身にかかる税金に大きなデバフを掛け続け支払う所得税を減らしてくれます!(急に泥臭い話に😱)スタインウェイともなれば数十年使用してから売りに出してもかなりの値で取引されるどころか買値より高くなる可能性も十分にあります。生涯に渡り音楽に潤いを与えるだけでなく資産価値もあるわけです。そして時代はコンサートやスタジオ録音だけでなくYouTubeを始めとした宅録が重要になってきました。このことはかなり大きかったかもしれません。私も自身のチャンネルを持っていますが、何より生徒さんに最高のピアノで最高の録音と最高の思い出を作ってあげたいという気持ちが強くなりました。

こうして私は、教室に高級ピアノを導入しようと考えるようになりました。