スタインウェイ購入物語3「藤本ピアノ工房」

2023年08月15日

2022年6月29日、藤本ピアノ工房さんにやってきました。オーナーの藤本さんからドイツ製の美味しいお茶菓子をいただきました。
「スタインウェイのピアノ工場が第二次大戦で軍需工場になりましたがこちらで取り扱っているニューヨークスタインウェイはそれより前の時代、使われている木は酸性雨の影響が少なく各部材も良いものを使用していてスタインウェイ一族の理念が反映されたピアノで…」といった話を受け盛り上がりました。
工房にはいろんな会社のピアノの部材がありました。
2台のスタインウェイピアノがあり最初に1922年製のエボニーO型のスタインウェイを試弾しました。鍵盤の奥行は現代のピアノよりやや短く、黒鍵の形も少し異なるように感じました。音はややこもった感じに聞こえました。
続いて奥にあった1940年製のレッドマホガニーM型のスタインウェイを指弾しました。こちらははっきりはつらつとしたボリュームで鍵盤の奥行や黒鍵の形も現代のピアノと同じくらいに感じました。若杉さんと細田さんにも試弾してもらい工房を出ました。私は正直迷いましたが、2人に正直な感想を聞いたら「あの価格であのピアノだったら私なら買わないかな…」と全く忖度ない正直過ぎる感想を聞き、私の迷いが消えました。今回は縁がなかった、また振り出しかなと思った矢先に藤本さんから「倉庫にまだ試弾できるピアノが2台ある」と言われました。せっかくなので藤本さんの車(オシャレなミニクーパー)に同乗し倉庫に向かいました。
倉庫には先程試弾したピアノより100万程お値打ちのスタインウェイ2台とヤマハのグランドピアノ(藤本さんが修理)の3台が並んでいました。(他にスタインウェイのアップライトが壁付けでありましたがこの時は気付かず💦)
1台目(最安値)のピアノを弾き始めた時に先程のピアノよりも良い音がしました。我々は「こういう音だ!我々が求めていたのは!」とここまできて初めて胸の高鳴りのようなものを感じました。しかしこのピアノは既に売却済とのことでした。安い理由は見た目かなりボロボロで未修復だからでした。
次に隣にあった20万値の高いピアノを試弾しました。最初に若杉さんが試弾した瞬間に目を見開いて凄く驚いた表情をしました。ピアノから出る音が煌びやかで自分でも心躍るのが分かりました。続いて細田さんが弾き私が弾き…その音に一瞬で引き込まれ購入の意志を固めました。
購入するかどうか迷うピアノではなく、購入したい、購入してもの凄く得した気分になるピアノでした。
ちなみに隣にあったヤマハピアノも良い音でした。藤本さんに「このピアノは良い音がしますね」と言うと「ヤマハは良いピアノですよ」と言いました。この方はスタインウェイだから良く国産の量産型だから悪いという考えを持つ人ではないことが分かり信頼感が湧きました。
しかし先程のスタインウェイと弾き比べると差が一目…いや一聴瞭然!「音が全然違いますね!質が違う!」と言うと藤本さんは「そりゃあスタインウェイですから」と言ってニヤリと笑いました(笑)
私はこのピアノに運命を感じ購入を決めました。この時の動画です!

※余談ですが12月に生徒さんのピアノを選びに訪れた時、O型エボニーのシャンクが交換されており6月のこもった音はすっかりなくなりクリアでキレのある音になっておりました!