ピアノ教室の選び方

2023年08月30日

ピアノ教室を選ぶ時に何を基準に選びますか?

大手か個人か?

レッスン料はいくらくらいか?

自宅からの距離はどのくらいか?

先生との相性はどうか?

どんな環境の教室か?

・・・

挙げればキリがありません。

そこで私なりに考えるピアノ教室の選び方をお伝えします。


1.大手より個人の方がお得!

大手音楽教室のメリットは沢山あります!

・駅から近い

・入会しやすく退会しやすい

・CMなどで周知されているので安心感がある。

・先生と相性が悪ければ替えることことが出来る…等

しかし一番気になる点は月謝配分です。月謝が1万だとすると講師に払われている金額は4000〜6000が相場です。残り6000は事務・広告・施設使用料等の運営費等に使われています。これは音楽教室に限らずどこも一緒ですがマージンが入らない方が安いに決まっています。

払っている月謝の半分以上がレッスン代ではない所に流れていっている…という事実は知らない方も多いです。

大手で教えている先生は何故半分も持っていかれるのにそこで働くのか?

それは個人で教える教室では宣伝の仕方がよく分からず人が集まらない為、自宅と併用で(自宅より受け取る金額は少なくなるが)教えていたり、そもそも教える環境(自宅のピアノや防音)が整っていなかったりする為です。

そして大手は基本的に課税事業者で個人はほとんどが免税事業者ですので消費税の有無も大きな差になります。2023年10月から始まるインボイス制度は直接生徒とやりとりをしている個人教室は問題ないのですが大手はこれを機に消費税相当分を値上げした所もあります。


2.生徒が小さい子供しかいない教室は要注意!

ピアノ教室を始めてから分かったことですが、最初は0からのスタート、つまり最初は新規の生徒さんしかいないので当然生徒さんの平均年齢も一番低い状態で始まります。

進級や進学等を機に少しずつ辞めてはいきますがそれでも教室の平均年齢は上がっていきます。

良い教室であればあるほど生徒さんも長く通う(続けたい)ので平均年齢は高くなる傾向があります。しかし昔からあるピアノ教室なのに小さな生徒しかいないというのはどうでしょうか?

入ってもすぐに辞めてしまい入れ替わりが激しく生徒さんの満足度が低い可能性があります。


3.弾ける先生が優れた教師とは限らない!

〇〇音楽大学・大学院卒業、〇〇へ留学、〇〇コンクール入賞…

コンサート、リサイタルを開催…

先生の輝かしい経歴を見て…この先生に習いたい!!

…とは限らないのがこの世界です。

勿論、演奏技術があるのは大事ですが教える時に大切なのは技術を言語化し上手に伝える能力です。生徒さんの中には見て学ぶ方もいますので情報の補足としてお手本を聴かせられるメリットは大きいですが、楽しく活き活きと通えるかどうかは教室や先生の雰囲気、生徒さんへ接する態度、ピアノに弾き疲れた時にちょっと面白い世間話をしてくれる先生の会話力の引き出しの多さ(笑)等、また別の能力とも言えます。

先生が自分の紹介をする時に自分のプロフィールを華々しく紹介しようとするのはどちらかというと生徒側が知りたい情報ではなく先生側が誇示したいという側面が強いです。

そしてピアノというのは音大を出て演奏会をするようになるまでには膨大な時間と努力を費やします。これは別の見方をするとピアノ技術を習得する為に普通の人が経験する様々な事柄を経験してこなかったとも言えます。悪く言えば世間知らずです。

勿論ピアノの先生方が全員そうというわけではないですが割合は多いと思います(自戒を込めて)


4.月謝だけではなく環境を確認!

ピアノ教室を選ぶ時に安いという理由だけで選んではいけません。かといって月謝の高い教室が良いとも限りません。

ピアノ教室の月謝は各々が勝手に決めているので安いということは「安くないと生徒が集まらない」とも考えられますし高いということは「少人数しか教えたくない」等の事情があったりします。私のオススメは「安くないけど生徒がいっぱいいて環境の良い教室」です。

ピアノはアップライトよりもグランドピアノがある教室、グランドピアノ1台よりも2台ある教室、グランドピアノも安価な量産モデルではなくスタインウェイやベーゼンドルファーといった高級ピアノを所有する教室の方がより良いです。

まずアップライトとグランドは弾いた時の反応が違います。アップライトは場所を節約する為に縦長にしたのでグランドピアノより反応が悪く、例えば1秒間に同音連打した時にグランドの方が2倍も多く連打することが出来ます。

そして高級ピアノは量産ピアノとは音の質が違います。ピアノの音は料理でいう食材です。楽譜はレシピで演奏技術は調理技術といえます。良い楽譜・良いピアノ・良い演奏が三位一体となってこそ音楽の骨頂と言えます。

生徒が沢山いるということは集客しやすい地域、集客が上手、評判が良い等の要素がある教室ということになりますが沢山の生徒を教えているということはそれだけ沢山のタイプの人と接してきているので経験値が高いとも言えます。ただしあまり胡散臭い言葉を信じないことです。

「今まで500人以上の生徒を指導」とプロフィールに書いている先生がいたとします。500人ということは毎年25名が入れ替わって20年、12.5名が入れ替わって40年かかる計算です。大体のピアノ教室が30名程度、繁盛してて50名程度の所が多いので、「大体これくらいだろう」という実数とはかけ離れた希望的観測であるか、真実だとしたら単発や大人数のグループレッスンばかりで一人一人と長く関わっていない先生と取れるのです。


5.おすすめのピアノ教室ランキングは嘘

インターネットでピアノ教室を検索していると「オススメのピアノ教室」とか「この地域のランキング」等といった結果が出てくると思いますが、その「オススメ」や「ランキング」とは一体誰が決めているかご存知でしょうか?

答えは簡単でそのサイトの運営者です。では何を基準に決めているか?といいますとそのサイトへの貢献度です。現在はピアノ教室を紹介するポータルサイトが凄く増えました。ピアノ教室Bravuraも出来るだけ沢山のポータルサイトに登録する努力はしていますが最近は有料のポータルサイトも増えてきています。つまりはポータルサイトに支払う「お金等の力」でオススメやランキングの上位にしてもらっているわけです。

ピアノ教室なんて一人の人が沢山の教室に通っているわけではないので他と比べてオススメなんて…ましてやランキングなんて決められるわけがないのです。


+αの魅力を持つ教室を選ぶ

色々なピアノ教室がありますがリトミックやソルフェージュ、発表会の有無やコンクールへの対応等、力を入れている部分はそれぞれ違います。

人によって感じる魅力も違うことでしょう。しかし+αの魅力がある教室は満足度が高いです。